進行中

プロセス全体のどこにいるのでしょうか?

予定表や議題の中で現在の位置を把握できると、人は安心感を持ち、支えられていると感じやすくなります。今何をしているのか、次に何があるのかを知り、すでに行ったことも確認したいものです。プロセス全体の流れを理解することで、どのように効果的に貢献できるかが分かります。

例えば、後で質疑応答の時間があると分かれば、プレゼンテーションの途中では質問を控えやすくなります。まず発散する段階があり、その後に収束する段階があると明確なら、早すぎる解決策への飛躍を避けやすくなります。参加者には、どのような意見や情報を、いつ求められているのかが分かる必要があります。

プロセスを人に伝えられる形で整理することは、ファシリテーターが全体の道筋を十分に考える機会にもなります。また、各部分に目的があり、それらが一貫した全体を構成しているかを確認できます。適切に進行されるプロセスには、筋道の通った流れがあります。

Loomioでは

  • Loomioでの決定には、基本的な筋道の通った流れがすでにあります。これが機能する理由でもあります。集まる(開始・招待)、話し合う(発散)、提案する(収束)、決定して行動する(結論を出す)という流れです。
  • 多くのLoomioユーザーは、複数段階の意見聴取など、流れを明確に定めたプロセスの一部としてLoomioを使っています。
  • グループの説明欄や提案の締め切りなど、全体の道筋をユーザーに示すための機能があります。ファシリテーターがこれらを積極的に活用することで、参加者が背景や流れを理解しやすくなります。

気づく技術

気づくことは、ファシリテーションの中でも特に重要なスキルです。ファシリテーターは観察を通じて、どのような介入や対応が必要か、どのように適切な意見を引き出すかを判断し、グループが自分たちの状態に気づくことも支援します。他の人が特定の内容や自分の課題に集中しているときにも、誰かが全体に注意を払い、気づいたことに基づいて行動する点に、ファシリテーションの価値があります。

効果的に気づくには、質のよい情報と、それを読み取る感受性やスキルの両方が必要です。多くのファシリテーターは、感情的な反応、緊張、力関係など、その場を「読む」ことについて語ります。ファシリテーターには、こうした情報を効果的に把握できる仕組みが必要です。

Loomioでは

  • 現在の多くの機能が、気づくことを支援します。特に重要なのは、提案の円グラフがどのように変化しているかを確認できることです。
  • ソフトウェアは、誰が参加済みで誰がまだ参加していないか、どのような話題が出ているか、誰がグループへの招待を承諾し、誰がまだ承諾していないかなどを把握します。
  • Loomioでは、1人のファシリテーターが同時に数十のディスカッションを読み、共有されている内容を明確に把握して、それに応じて行動できます。
  • オンラインで話し合うことで、暗黙の内容が明示され、気づきやすくなります。
  • 文章でのやり取りは、何に気づいたのか、それに対応してなぜ特定の行動を取るのかを言葉にするのに役立ちます。例えば、誰かの言葉を正確に引用し、そこから分かることを伝え返せます。ディスカッション全体についても、複数の発言を引用し、共通するテーマや生じつつある対立を見つけることができます。
  • 進行をゆっくりにすると、気づくことがずっと容易になります。好きなペースで読める非同期のコミュニケーションは、Loomioの大きな利点の1つです。過去のディスカッションを直接参照し、時間をまたいだ変化にも気づけます。
  • 複数のディスカッションを同時に進められるため、主要なディスカッションを進めながら、それについて考える「メタ」のディスカッションも行えます。これは「青い帽子」、つまりディスカッションについてのディスカッションとも呼ばれます。プロセスを遅らせずに、気づくことを一緒に練習する場を持てます。

多様な声を聞く

社会では、歴史、力関係、文化、心理が幾重にも重なり、特定の声を強め、他の声を抑えています。これは、心の奥にある無意識の信念から政治制度や法律まで、あらゆるところに現れます。

しかし、最もよいアイデアが、必ずしも最も声の大きい人から出るとは限りません。こうした偏りを是正することが、ファシリテーションの役割です。社会的公正、グループの有効性、質の高い意思決定を目指すなら、共に向き合っている力関係や働きを理解することが重要です。

新しいものを生み出すには、異なる視点を受け入れる余地が必要です。幸い、それは全員が力を発揮できるチームをつくるためにも必要なことです。さまざまな文化的・技術的要因が重なり、一部の声が優遇され、他の声が軽視されます。この偏りに体系的に取り組む方法は数多くありますが、まずその存在を認識することがよい出発点になります。— Richard Bartlett

人はそれぞれ自分自身の意識を通じて生きているため、他の人が世界を異なる形で経験していることを忘れがちです。一見似た人々からなるグループにも、視点、ペース、好みなど、非常に大きな多様性があります。他の人は自分とは違うという事実を実感として理解することは、個人の成長における中心的な課題です。

すべての人に合う方法はありません。どのような交流方法も、一部の声を強め、他の声を弱めたり、1人の中にある異なる傾向を引き出したりします。そのため、多様な声からそれぞれのよさを引き出すには、さまざまな方法を使う必要があります。

異なる学び方に対応できているか確認しましょう。簡単な確認方法の1つは、「頭・心・手」という比喩を使うことです。頭で学ぶ人には、事実や詳しい情報が必要です。心で学ぶ人は、物語から学びます。取り組みに感情面でつながることが必要です。手で学ぶとは、実際に何かを行い、体を動かすことです。— Silvia Zuur

多様な声を引き出して結びつけるための有効な方法の1つは、さまざまな交流方法を用意することです。異なるニーズや好みに応え、コミュニケーションの条件を公平にできます。

協働の場でコミュニケーションの多様性に対応するための、代表的な設計要素を紹介します。

  • グループの規模 — 個人での振り返り、ペア、小規模なグループ、大規模なグループ、1対1、1対多、多対多などです。
  • 表現の手段 — 文章、絵、動画、歌、踊り、フローチャート、数式、記号、物語、涙、笑い、討論などです。
  • ディスカッションの進め方のルール — ラウンド(全員から1回ずつ話を聞いてから次へ進む)、発言頻度の制限(他の2人が発言するまで再び発言できない)、トーキングスティック(棒を持っている人だけが発言し、割り込まない)、時間制限のある発言(発言は1分間のみ)、時間制限のない発言(時間を制限せずに話し、全員がじっくり聞く)、発言状況の記録(女性と男性がそれぞれどれだけ発言したかなど)、発言の間に沈黙の時間を設けること(内容を受け止め、振り返るため)などです。
  • 沈黙を受け入れる 沈黙は、気まずいものと捉えたときにだけ気まずくなります。沈黙は、人が考えるための機会です。— Silvia Zuur

Loomioでは

  • Loomioは、対面で参加できない人、発言が控えめな人、忙しい人なども含め、「すべての声を聞く」ことを一貫して重視して設計されています。
  • 文章では、どの人の声も「音量」や「速度」がほぼ同じになります。文章による非同期のコミュニケーションは、参加の条件をある程度公平にします。
  • 提案機能は、基本的に「ラウンド」の役割を果たします。希望する人がそれぞれ対等な立場で意見を述べられるよう、グループを支援します。
  • Loomioでは、リンク、動画、画像、図、裏づけとなる資料などを使えます。これらは、さまざまなコミュニケーションのスタイルに対応します。
  • Loomio自体は比較的シンプルですが、積極的なファシリテーションとグループの成熟により、慣習や合意したルールを使ってディスカッションの進め方を人の手で運用できます。例えば、全員が参加するまで、各自の投稿を1回に限るディスカッションなどです。
  • Loomioは、親グループとサブグループを使って、小規模から大規模まで柔軟に交流できる機能を提供します。大規模な意見聴取では、複数の小規模なグループで話し合い、その内容を全体の結論にまとめた例があります。
  • 個人で考える時間が必要な人は、いったん離れて考えを整理し、後で戻って長めのコメントや文書へのリンクを共有できます。これは、自分で参加方法を選ぶことで、個人とグループのコミュニケーションを結びつける例です。
  • Loomioのアクセシビリティ機能と多言語の翻訳により、非常に異なるニーズを持つ人々が、1つのディスカッションに対等に参加できます。これは、対面ではほぼ不可能な形で、技術が公平な参加を可能にする代表的な例です。
  • 誰かの発言量が多すぎる場合、画面をスクロールしてその投稿を読み飛ばすことができます。対面では、その人がやり取り全体を独占してしまうことがあります。ただし、非常に長い文章の投稿は、Loomioでもバランスの取れたディスカッションを妨げる場合があります。

認知バイアスに対処する

人間の脳は、何百万年もの進化を通じて、速く効率的な「十分によい」思考と、時間や労力のかかる深い分析とのバランスを取るようになりました。そのため、普段は直感、経験則、一般化によって少ない負担で素早く判断し、必要なときには深く分析できます。

しかし、判断を誤ることもあります。人間の認知には、最善の決定を妨げる、よく知られた「バグ」があります。グループでの場面では、さらに複雑になります。こうした働きを認識する必要があります。

認知バイアスには非常に多くの種類があります。この一覧は読む価値があります。どれも意思決定や協働に影響する可能性があります。ファシリテーションは、こうした偏りに対処し、その存在への認識を高め、対応を主体的に選ぶための重要な手段になります。例えば、素早く進めることがより重要なのはいつか、正確さがより重要なのはいつかを問いかけることです。

認知バイアスに対処し、決定の質を高める有効な方法の1つは、構造化されたプロセスとコミュニケーションです。最も楽な道を選ぶ代わりに、決めたプロセスに沿って進むことで、思考の誤りや偏りが見えやすくなります。ファシリテーターが、難しく感じられることや抵抗を招くことをあえて求める場合があるのは、慣れた思考パターンから抜け出す必要があるためです。こうした取り組みを着実に続けることで、グループはより根本的な目標を達成しやすくなります。そのためには、一時的な居心地の悪さを受け入れる価値がある場合もあります。

認知バイアスを軽減するプロセスの例を紹介します。

  • デ・ボノの帽子:参加者が比喩的に異なる色の帽子をかぶることで、自分の意見から離れ、さまざまな思考方法を試します。
  • チェックリスト:思考がいつもの型にはまると、特に慣れた分野では、明らかなことさえ見落とす場合があります。チェックリストは、こうした誤りを取り除くのに役立ちます。
  • なぜなぜ分析:「なぜ」を1回か2回尋ねただけでは、問題の根本に達する前に、結論に至ったと思い込むことがあります。5回尋ねることで、根本にたどり着きやすくなります。
  • 思考モデル:SWOT分析、ビジネスモデルキャンバスなど、構造化された情報収集の方法は数多くあります。これらは、より明確な分析を導き、前提を明らかにするのに役立ちます。

Loomioでは

  • 多様な情報や意見は、思い込みや偏りを揺さぶります。これはLoomioの基本設計に組み込まれています。より多くの人が公平な立場でディスカッションに参加できることで、「集団思考」から抜け出す機会が生まれます。
  • Loomioでは、参加者が建設的に異議を唱えられます。異議を安全に表明でき、それが尊重されることは、批判的に考える文化に欠かせません。
  • 文章による非同期のコミュニケーションは、会話の速度を落とし、内容を丁寧に検討できるようにします。じっくり考え、認知上の誤りを避ける機会になります。
  • Loomioは、ある程度構造化されたプロセスを通じて、より慎重な意思決定を促します。Loomioは非常に多様なプロセスで使えますが、ディスカッションに何らかの構造があるだけでも、新たな可能性が生まれます。

発散と収束のバランスを取る

発散と収束の「ダイヤモンド」は、会話の流れを表す形です。最初は外へ広がり、アイデア、情報、異なる視点を受け入れる余地を開いた後、1つの点へまとまり始めます。この切り替えを適切な時期に行うことが、行動につながる、生産的で協働的なディスカッションを効果的に進める鍵になります。

発散を省いたり、早すぎる段階で打ち切ったりすると、検討に必要な情報が不足し、参加者は話を聞いてもらえなかったと感じ、よいアイデアも出されないままになります。収束を省いたり、遅らせすぎたりすると、行動に移せる結論に達しないままディスカッションが続き、参加者の力を消耗して、成果を得られなくなります。

全体のプロセスに含まれる細かな段階でも、適切な時期と介入を意識する必要があります。発散は、導入、明確化、アイデアの創出からなります。収束は、分析、結論、実行への意思確認からなります。ダイヤモンドの流れを大まかに意識するだけでうまくいくディスカッションもあれば、各段階を細かく分けることが役立つディスカッションもあります。

グループ内では、通常、人によって発散と収束のどちらを好むかが異なり、グループ全体にも傾向があります。バランスが崩れると、自由な発想ばかりが続いたり、すぐに解決策へ飛びついたりします。ファシリテーションは、各自とグループ全体が、それぞれの進め方に適切な量の力を使うことを支援します。

Loomioでは

  • Loomioの基本プロセスは、ディスカッションで発散し、提案で収束することで、グループが各段階を経験するよう導きます。ダイヤモンドの考え方は、Loomioのプロセスの初期設計に大きな影響を与えました。
  • Loomioは、グループがダイヤモンドの流れを柔軟に使うことを支援します。例えば、収束を目指した提案が、意見の不一致によってさらに深い発散につながる場合があります。そこで情報が明らかになったり整理されたりすることで、修正した提案による、よりよい収束を支えます。
  • 新しいディスカッションの開始をグループのメンバーに知らせる通知は、発散への参加を促します。提案の締め切りは、収束への参加を促します。こうしたLoomioの基本機能が、それぞれの進め方を支えます。
  • Loomioユーザーは、既存の機能、具体的には提案の開始によって、収束を促進できます。提案をうまく使っていることは、グループが効果的に活動している分かりやすい兆候の1つです。提案をもっと始めるよう勧めるだけで、行き詰まっていた多くのグループが前に進めます。

扱う範囲を調整する

協働を成功させるには、適切な大きさに分けた課題を、適切な順序で扱うことが重要です。

ファシリテーションにも「プロジェクト管理」の考え方を取り入れ、次のような問いを踏まえて設計できます。

  • どのような依存関係がありますか。全体の所要時間を左右する作業の流れはどれで、他の作業を進めるために何を先に行う必要がありますか。
  • 最も重点を置くべき部分はどこですか。何を省けますか。
  • 利用できる時間、力、情報を使って役立つところまで進むには、その時点でどの範囲なら取り組めますか。

一度にすべてを解決しようとせず、扱いやすい単位に分けることが重要です。小さな取り組みを重ねて、より大きな結論へつなげられます。何の結論にも達しないより、小さくても役立つことを達成する方がよい場合が多くあります。一方で、細部にとらわれすぎて、大きな課題に取り組めなくなることもあります。

協働では、何が生まれるかを正確に予測できる人はいません。そのため、扱う範囲はディスカッションに合わせて変えていく必要があります。ある時点で話を広げることが脱線なのか、発展なのかは、状況に応じた判断になります。硬直しすぎても、柔軟すぎても、問題が生じます。多くの場合、関係があるかどうかよりも、何をどの順序で、いつ扱うと最も建設的かが問題になります。

互いにつながる複数の部分からなるセッションを計画し、それぞれが積み重なって、人生を変えるほど驚くような結論へ至るとします。それを実現できれば、すばらしいことです。しかし多くの場合、複雑なセッションは予定時間を超え、参加者の希望やニーズに応えられないことがあります。- Silvia Zuur

小さな合意を積み重ねる

多くの会話をひとまとめにすると、混乱を招きます。行き詰まったグループでは、課題を分けることが役立つ場合がよくあります。解決の見込みがない、複雑だ、意見が対立していると感じる問題でも、個々の問いに分け、最も賛成しやすいことからコンセンサスを得られる場合があります。その後、意見が一致しない点については、問題の核心だけに絞って集中的に取り組めます。

Loomioでは

  • 話題ごとのディスカッションのスレッドは、扱う範囲を効果的に定めるための有力な手段です。対面の会話以上に、Loomioのディスカッションは区切りを明確にし、特定の問いに集中しやすくできます。他の側面は、別のスレッドで同時に扱えます。
  • ユーザーが「それはこの話題の範囲外ですが、別のディスカッションを始めてみませんか」といった働きかけをする例がよく見られます。
  • Loomioでグループを作ることは、どのような人々が集まり、何を話し合うのかを明確にするのに役立ちます。これにより、参加者が扱う範囲を調整しやすくなります。
  • 提案を順に進めるLoomioの設計は、「小さな合意を積み重ねる」方法に適しています。1つのディスカッションのスレッド内で背景説明を保ち、過去の提案の経緯を踏まえながら、小さな合意を積み重ねられます。
  • 非同期のオンラインコミュニケーションでは、一部の人が扱う範囲を大きく広げても、他の人の進行を妨げずに済みます。新しいディスカッションやサブグループを始めれば、グループの主な範囲を保ちながら、希望するだけ深く、長く取り組めます。
  • ディスカッションの背景説明欄とグループの説明欄は、それぞれ会話とグループが扱う範囲を定めるための場所です。

ペースとタイミング

生産的な会話にはリズムがあります。適切なリズムは、さまざまな要因の複雑な組み合わせから生まれ、音楽家の即興演奏のように、直感的に感じられることもあります。いつ深く掘り下げ、いつ引き戻すのでしょうか。いつ新しい情報を取り入れ、いつすでに出ている内容をさらに検討するのでしょうか。これがペースの調整です。

参加者によって、ニーズや好みは異なります。進みすぎないように抑える必要がある人もいれば、前に進むよう後押しが必要な人もいます。深く掘り下げることと前進することの間に、建設的な緊張関係が生まれると、適切なペースが見えてきます。ペースが合わなければ、待ちきれない、あるいは取り残されたと感じて、不満が生じます。

Loomioでは

  • Loomioは非同期なので、それぞれが自分のペースで読んで応答できます。そのため、自然なペースが生まれます。
  • ゆっくり進めている人の投稿をスクロールして通り過ぎ、前進を促すこともできます。同時に、他の人が先へ進む間、1つのことをゆっくり掘り下げ続けることもできます。これは、同時に行うコミュニケーションではできません。
  • 提案の締め切りは、ペースを設定する手段です。急いで進める必要がある話題では期間を短くし、時間をかける話題にはより長い期間を設けられます。決定ごとに、異なる速度で進められます。
  • 自分の参加ペースも簡単に調整できます。会話の進み方が速すぎたり遅すぎたりする場合は、意見を投稿していったん離れ、後で提案が出されたときに戻れます。
  • Loomioでの「速い」決定は1日か2日ですが、対面での「速い」決定は5分程度です。それでも、対面で決定に2日かかる場合のように、Loomioが「遅い」と感じられるわけではありません。Loomioでは他の作業と並行して意思決定を進められます。対面の会議を調整するよりも、Loomioで2日間かけて全員の意見を集める方が、はるかに効率的です。
  • Loomioでのファシリテーションは、「バレットタイム」に例えられます。映画『マトリックス』で、ネオが時間を止めて弾丸の周りを歩くように、進行中の会話を1コマずつたどれます。超能力のようなものです。

注意を向ける先の管理

ファシリテーターは、注意を向ける先を整理する役割を担います。利用できる情報は、文字どおり無限にある場合もあります。情報に圧倒されないようにするには、情報を選別することが重要です。注意という限られた資源を管理するには、重要性と、使える時間や対応できる量とのバランスを取ります。

ファシリテーションは、ディスカッションやプロセスの目的と範囲についてグループが合意する助けになります。その合意が、何に優先して注意を向けるかを判断する基準になります。気を散らす要因を減らし、会話を本題に戻すことは、よく行われる働きかけです。

ファシリテーターが注意に働きかけるもう一つの重要な方法は、グループが必要な時間、注意を向け続けるよう促すことです。物事が難しくなったり、不明確になったり、不快に感じられたりすると、人は早々に諦めたり、別の話題に移ったり、目をそらしたくなったりします。ファシリテーターは、グループが共通の目標に向けて最後まで取り組む手助けをします。

この分野では、構造化されたプロセスや情報を整理する演習が、重要なファシリテーションの手段になります。例として、次のようなものがあります。

  • 時間枠の設定 — ブレインストーミングや、特定の話題について話し合う時間を決めます。
  • 議題の優先順位付け — 話し合いを始める前に、参加者が話したいことをすべて挙げ、その中から優先して取り上げる項目を選びます。
  • 付箋による整理 — 多くのアイデアや質問を出し、テーマごとにまとめてから、話題として整理します。
  • 保留事項の置き場 — その場では直接関係しないアイデアや質問を書き留め、後で取り上げるための場所です。
  • 何を達成すれば成功といえますか? 成功の基準を定め、その基準を満たすまでグループが集中して取り組めるようにします。

Loomioでは

  • Loomioで注意を向ける先を管理する重要な機能の一つは、話題ごとにディスカッションをスレッドに分けることです。この形式が数十年前のオンラインコミュニケーションの初期から登場し、今も広く使われているのには理由があります。注意を向ける先を整理するうえで、とても効果的だからです。ページの上部に話題が大きな文字で示されていれば、多くのLoomioユーザーは直感的に本題に沿って話し合えます。
  • Loomioでの活動は、注意という資源をやり取りする通貨に相当し、通知を発生させるものはすべてその通貨を使います。どの活動を通知すべき重要な活動と見なすかについて、ソフトウェアにはユーザーのフィードバックに基づく基準があります。たとえば、コメント、投票、結論は通知の対象ですが、コメントへの「いいね」は対象ではありません。
  • ユーザーは通知設定を通じて、Loomioで何に注意を向けるかを細かく調整できます。ユーザーがこれらの設定を行う手助けは、グループの注意という資源を適切に使うための重要な手段です。
  • サブグループは、注意を向ける範囲を調整するための有効な手段になります。一部の人だけが関わればよい話題は、サブグループに分けられます。
  • Loomioで複数の提案を同時に進められないようにしたのは、注意の流れを考えた意図的な設計上の決定ですが、あまり好まれないこともあります。次に進む前に、一つの提案を十分に検討するようグループに促すためのものです。

多くの情報システムの設計者は、設計上の課題を、注意の不足ではなく情報の不足だと誤って捉えていました。そのため、人にますます多くの情報を提供することに優れたシステムを作りました。しかし、実際に必要だったのは、重要でない情報や関係のない情報を取り除くことに優れたシステムでした。 — ウィキペディア

ファシリテーションの介入

ファシリテーションの手法は、世界のファシリテーターの数ほどあり、このテーマについては膨大な数の本が書かれています。介入の方法をすべて一覧にすることはできません。

ただし、介入を次の2種類に分けて考えると役立つ場合があります。

  1. 支援的な介入:参加を促す、深く掘り下げる、意見を引き出す、穏やかに働きかける、育む、守る、余地をつくることです。
  2. 毅然とした介入:引き戻す、止める、境界を定める、割って入る、問い直す、本来の方向へ戻す、不適切な行動を排除することです。

対面のファシリテーションで行う介入のほとんどは、オンラインの場でも、形を工夫して活用できます。

特定の人を指名して発言を求めると、その人は、教室で答えが分からず、自分が愚かだと感じている子どものような気持ちになるだけです。代わりに、まだ話していない人全体に発言を呼びかければ、普段よく話す人には静かに待つよう伝わり、発言が控えめな人には前に出る機会が生まれます。— Silvia Zuur

Loomioでは

  • Loomioで介入に使える手段には、コメント、@メンション、ユーザーの追加・削除、ディスカッションの開始・削除があります。これらを、さまざまな支援的・毅然とした介入に使えます。
  • 最もよく使われる介入は、コメントです。グループに話しかけ、特定の行動を促したり、減らそうとしたりします。
  • 参加権限では、ディスカッションや提案の投稿を許可または禁止するなど、細かな調整には向かなくても、効果的にユーザーの行動を管理できる手段を提供します。
  • Loomioには、他のツールにはない、信頼に基づく機能があります。例えば、初期設定では、他のユーザーが投稿したディスカッションの背景説明も、すべての参加者が編集できます。こうした機能は、ウィキペディアやオープンソースソフトウェアの開発などから着想を得ています。

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